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2010-07-01
【MR・大手前通信】消費税率引き上げについての議論活発化[vol.4]
【MR・大手前通信】消費税率引き上げについての議論活発化[vol.4]
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〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜 2010.07.01
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-CONTENTS-
◇【税務】消費税率引き上げについての議論活発化
◇【経営】中国の不法行為法、「権益侵害責任法」が本日施行
◇【総務】『取締役会議事録』は作成していますか?
◇【会計】『決算公告』を忘れてはいませんか?
◇ 編集後記
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【税務】消費税率引き上げについての議論活発化
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参議院選挙を7月11日に控え、財政再建や税制改革についての議論が
活発化してきました。
なかでも、財政再建に強い意欲を示してきた菅首相がマニフェスト発表の
場で消費税の増税と引き上げ後の税率の目安を10%とすると発言してい
ます。このことで、消費税の増税についての関心が高まっています。
消費税は現行の5%に引き上げられてから13年が経過しました。所得税
や法人税と異なり景気の影響に大きく左右されない安定的な税収源とし
て重視されています。
財務省:主要税目の税収(一般会計分)の推移
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm
首相発言の通り消費税が10%に引き上げられた場合、12兆円の増収と
なる見込みです。これを新規国債発行額圧縮の財源とするのか、景気
を刺激するための需要・雇用創出分野への投資財源とするのかについて
は更なる議論が望まれます。
なお、消費税は所得の低い世帯ほど収入に対する税負担割合が増加する
「逆進性」を持ちます。このため、これを是正すべく生活必需品への軽減税
率の適用や、所得の低い世帯への減税や手当支給で実質的な負担を軽
減する方法も同時に検討されています。
また、6月22日に政府税制調査会から発表された「税制改革の議論の中
間的な整理」では、消費税だけでなく税制全般での抜本的な改革の必要
性が述べられております。格差是正を目的とした所得税の最高税率の引き
上げや、相続税の税率・課税対象財産の見直しによる課税強化について
も税制改革の検討課題に上っています。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/22zen2kai2.pdf
より一層の歳出削減策に期待すると共に、引き続きこれら議論の行方を
見守っていく必要があると考えます。
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【経営】中国の不法行為法、「権益侵害責任法」が本日施行
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本日7月1日、中国では、不法行為法に相当する「権益侵害責任法」(昨
年12月公布)が施行されました。消費者保護を重視した内容であり、今後
の中国での取引上、訴訟リスクがますます高くなると言われています。
特に、製造物責任(PL責任)に関する条項は特徴的であり、中国へ製品を
輸出する企業にとっては注意を払う必要があります。
製造物責任に関しては、製品に欠陥があったことにより損害が生じた場合は、
製品の生産者に無過失の損害賠償責任を負わせます(同法第43条)。
これは、我が国でも同様の取り扱いです。
しかし、同法では、いわゆる「肩代わり責任」を明記しています。
これは、販売者についても無過失の賠償責任を負わせております(同法第43
条)。また、販売者に責任がなくとも、賠償請求訴訟を起こされると、販売者
が一旦被害者に賠償し、その賠償後に生産者に求償することとなります。
さらに運送業者、倉庫業者等の故意または過失により、製品の欠陥が生じ
た場合でも、対被害者との関係では、生産者または販売者が賠償する義
務を負います。その賠償後に運送業者、倉庫業者等に求償することとなり
ます。
また、懲罰的賠償責任規定(第47条)も明記されています。
これは、製品に欠陥があることを知りながら、製造または販売し続けた業者
に対し、実損額に加え、懲罰的な損害賠償責任を負わせるものです。
これにより賠償額の上限が確定せず、リスクの幅を予見できなくなります。
もっとも真摯に生産・販売活動をしている企業については、このような
懲罰的損害賠償責任を直ちに負う可能性は高くないと考えられます。
このように中国向けの製品については、生産段階だけでなく、販売、流通段
階においてもきめ細かい管理体制を整える必要があります。また、リスク拡大
の防止と損害額の補償のために、損害保険への加入も必要に応じて行うべ
きでしょう。
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【総務】『取締役会議事録』は作成していますか?
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7月に入り、3月決算の会社では株主総会が終わって、新年度にむけて舵を
切り替えている方も多いと思います。
さて、今回は、取締役会議事録について説明します。
定時株主総会終了直後の取締役会では、必要に応じて次の項目を決議し
ます。
・代表取締役の選定
・役付取締役の選任
・重要な使用人職務の委嘱
・報酬等(賞与、退職慰労金を含む)の配分の決定 など
開示強化により、大手企業の1億円以上の役員報酬が新聞を賑わせまし
たが役員報酬等の金額とその決定方針は、通常、定時株主総会直後の
取締役会で決定されます。
取締役会の議事録は、作成が義務付けられており、役員変更などで登記
が必要な場合は、2週間以内に議事録を添付して登記申請する必要があ
ります。
遅延すると代表者個人に過料がかかる場合がありますので、留意してください。
取締役会は、会社法で3ヶ月に一度開催することが義務付けられています
が中小企業においては、開催していない場合や議事録を整備していないケ
ースが散見されます。
一方、経営を役員に委任している株主には、必要があるときには裁判所の
許可を得て、取締役会議事録の閲覧が認められています。
ただし、旧商法の小会社の延長線にある、取締役会+監査役(会計監査
限定)または取締役会+会計参与の場合、株主は、裁判所の許可なしに
取締役会議事録の閲覧要求ができるとされています。
なお、監査役が会計監査に権限を限定されているかどうかについては登記で
は明示されないため、定款で確認することになります。
取締役会議事録は、業務執行における決定を表し、重要な記録であると
ともに事後的に、税務上や裁判等で当時の経緯を示す根拠となることが多々
あります。
株主総会の議事録作成と併せて、いざという時に備え、この機会に取締役会
の議事録に漏れがないか点検してはいかがでしょうか?
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【会社法】『決算公告』を忘れてはいませんか?
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会社法440条をご存知でしょうか?
そうです、『計算書類の公告』です!
今回はマメ知識として決算公告を簡単にご説明したいと思います。
さて、会社法440条は、下記のとおり記載されています。
┌────────────────────────────────┐
会社法440条(計算書類の公告)
株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後
遅滞無く、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算
書)を公告しなければならない。
〜後略〜
└────────────────────────────────┛
つまり、会社は毎年決算後に会社の財務状況を遅滞なく公告(決算公告)
しなければならないと定められています(なお、特例有限会社(旧有限会社)
は、有限会社の名称を使う限り、旧法のもと、決算公告は適用除外とされ
ています)。
公告方法は、次の3通りの方法から選択し、定款に記載することとされてい
ます。なお、有価証券報告書提出会社は、より詳細な情報が開示されてい
ることから決算公告は免除されています。
1:官報に記載する
2:時事に関する事項を掲載する日刊新聞に掲載する
3:電子公告により掲載する
実務上は、官報に記載する方法を選択している会社が圧倒的に多くなって
います。
なお、官報に記載する方法の場合には、官報掲載費用等があり、貸借対照
表のみの公告で5万円〜10万円となります。
このため、中小企業の多くは、法律で義務付けられているとはいえ、一定の費
用や手間がかかり、しかも会社の財務状況を公開することになる決算公告に
後ろ向きであるのが実情です。
では、決算公告をしなかった場合にはどうなるのでしょうか?
実は、決算公告をしなければ、百万円以下の罰金が代表取締役等の役員
個人に科せられる可能性があります(会社法976条)。
旧商法では罰則規定がなかったのですが、会社法になって新たに設けられた
のです。
ここまでの説明では、決算公告をしていない方はすぐにでも公告しなければ
ならない、と思われるかもしれません。しかし、実際に決算公告をしていない
ことによって罰金が科された事例はまだないようです。経済界の反発が強く、
決算公告をしていない会社に対して罰金を科すことができていないためです。
ただし、組織再編(合併・分割など)をする場合は、直前の決算公告をして
いることが前提となるため、このような場合には遅れてでも事前に決算公告を
する必要があります。
決算公告をするべきかどうか、は今のところ、コンプライアンス(法令順守)等
を意識した会社経営上の選択肢の一つともいえるかもしれません。
ただし、罰金を科されたことが今までなかったからといって、今後無いとは限り
ません。決算公告が全ての株式会社に要請されていること、罰則規定があ
ることは頭の片隅に置いておくのも必要ではないかと思います。
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編集後記
6月はワールドカップで盛り上がった月となりました。一昨日の晩、日本代表
は惜しくも負けてしまいましたが 、その健闘は大きな力を与えてくれたと思い
ます。決してフィジカル(身体の強さ)やテクニックが相手に優っていたわけで
はありませんが、チーム力や集中力でもぎ取ったベスト16ではないでしょうか。
私も日本代表に負けないよう頑張らねばと奮闘するこの頃です。(植本)
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代表取締役・代表社員 榎 卓生
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