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2012-06-01

【MR・大手前通信】 あまり報道されていない消費税以外の増税法案[vol.27]

【MR・大手前通信】 あまり報道されていない消費税以外の増税法案[vol.27]
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〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜_…_〜 2012.06.01

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-CONTENTS-

◇【税務】あまり報道されていない消費税以外の増税法案
◇【労務】関西の電力不足への備えと労務管理
◇【経営】中小企業再生支援協議会版DDSの種類増加
◇ 編集後記

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【税務】あまり報道されていない消費税以外の増税法案
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現在、国会において、与党から提出された「社会保障の安定財源の確保等
を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等
の法律案」(平成24年3月30日提出)の議論が、連日マスメディアを賑わして
おります。

しかしながら、消費税率の引き上げ(5%→8%、10%)のことが中心的に取り
上げられ、消費税以外の増税案があまり報道されていません。増税対策の
盲点ともなりかねないため、今回ご紹介致します。

(1)今国会提出の消費税以外の増税法案の概要
税金負担の公平性から所得税の最高税率の引き上げ及び相続税の基礎
控除の引き下げ並びに相続時精算課税制度の拡充を行う必要性があると
されています。
消費税法の他、下記のような所得税法、相続税法及び租税特別措置法の
一部を改正が予定されています。

�所得税法の一部法改正
・所得税の最高税率の引上げ(課税所得5,000万円超について45%)
(注)平成27年分以後の所得税について適用

�相続税法の一部改正
・相続税の基礎控除の引下げ(「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」
⇒「3,000万円+600万円×法定相続人数」)
・相続税の税率構造の見直し(最高税率を50%⇒55%に引上げ)
・相続時精算課税制度に係る贈与者の年齢引下げ(65歳⇒60歳)
(注)平成27年1月1日以後に取得する財産に係る相続税、贈与税について適用

�租税特別措置法の一部改正
・直系卑属(20歳以上)を受贈者とする場合の贈与税の税率構造の緩和
・相続時精算課税制度に係る受贈者の対象拡大(20歳以上の孫を追加)
(注)平成27年1月1日以後に取得する財産に係る贈与税について適用

(2)税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置
政府は、上記以外の諸施策についても具体化を検討し、それぞれの結果に
基づき速やかに必要な措置を講じなければいけません。
※例えば、マイナンバー制度及び歳入庁の創設の具体化に向けての推進等

消費税増税と抱合せで提出されている今回の増税法案は、今国会において
その内容等も流動的となっています。今後、新しい動きがあれば、お伝えして
いきたいと思います。

(参考)
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/180diet/sh20120330g.htm

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【労務】関西の電力不足への備えと労務管理
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関西では、今夏の電力不足の問題が深刻であります。関西電力によると、原
発が再稼働しない状況で約15%の節電が実現できなければ、ピーク時の電力
供給が逼迫することになると予測されています。

しかし、平成24年5月30日夜、野田首相は大飯原発の再稼働の方針に、前向
きな姿勢を見せています。計画停電の問題が回避されることが期待され、6月
中旬に再稼働の適否の決断がなされる予定です。しかし、大飯原発のフル稼
働まで4〜6週間かかる見通しで、7月中旬の電力需要のピークに間に合うか
どうか予断を許さない状況です。

もし仮に、計画停電が実施されることになれば、 公共交通機関の運行、工場
稼働や店舗運営、病院等の医療行為等に大きな影響を及ぼすことになります。

東日本大地震により、昨年の3月〜4月にかけ東北・関東地方で計画停電が
実施されましたが、冷凍食品の品質を保てなかった倉庫業や、POSシステム
の再起動に対応しきれなかった百貨店などでは、計画停電の日に全日又は一
部休業を避けられない企業もあったようです。

計画停電による休業は、労務管理の側面では、労働基準法第26条による休業
補償問題があり、60%の賃金の支払いの要否を判断する必要があります。

計画停電の時間帯に、やむを得ず休業する場合は、使用者責任を問われない
ため、労働基準法26条による休業補償の対象とはなりません。但し、休電に影
響の出ない事務作業や作業場での休業は、休業補償の対象となります。

他方、計画停電の時間帯以外の休業は、原則として使用者責任が問われ、休
業補償の対象となります。例外として、経営上著しく不適当と認められる場合は、
計画停電の時間帯以外の休業も休業補償の対象とされません。

また、節電対策を実行する上で、労務管理の見直しも重要です。

昨年の東北・関東地域における節電対策として、サマータイム制や、夕方・夜
間勤務の実施、ノー残業デーの励行、在宅勤務導入、変形労働時間制・フレッ
クスタイム制の活用など、労働時間を柔軟に変更する事例が見られました。
自動車メーカーでは輪番休日を実施し、企業単位だけでなく業界全体として節
電対策が取り組まれました。すでにパナソニックでは、今年の秋の休日を前倒
しし、夏休みを2倍にする計画を発表しています。

電力不足に対する労務管理上の対策には、課題を整理するため、具体的に業
務の流れや取引先との関係で問題が生じないか確認し、労働時間や休日等の
制度をどのようにするかを決定することとなります。
労使間で十分に協議し、就業規則、労使協定などを見直すことが重要です。

このような準備を早期に開始し、想定される経営リスクを最小限に抑える努力
が期待されます。

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【経営】中小企業再生支援協議会版DDSの種類増加
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DDS(Debt Debt Swap)という言葉をご存知でしょうか。
DDSとは金融支援策のひとつで、特定の債権を劣後ローンに転換することを
いいます。
DDSは他の借入金の返済後に返済することになるため、一定期間の返済猶
予を受けることができるほか、一定の条件を満たした場合には、金融機関の
評価では準資本とみなすことができるため、DDSを受けた企業の財務状態が
改善する効果があります。

この準資本とみなせるDDSは、従来から大別して早期経営改善特例型と協議
会版資本的借入金(以下、「協議会版DDS」という)があり、中小企業の再生で
は協議会版DDSが多く利用されてきました。

この協議会版DDSについて条件等の見直しが行われ、新たな協議会版DDS
が創設されました。従来の協議会版DDSとの違いは、主に次のとおりです。

貸出期限:15年後一括返済→5年超の期限に一括返済
担保の取り扱い:無担保→有担保も可能
法的破綻時の劣後性:あり→有担保は無し(ただし、法的破綻までは劣後)

5年超とのことから、20年後一括弁済等の協議会版DDSも考えられ、より協議
会版DDSが活用されていくものと思われます。

(参考資料)
「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)」の一部改定について
http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20120406-3.html

「十分な資本的性質が認められる借入金」の活用による再生支援手法につ
いて〜中小企業再生支援協議会版「資本的借入金」について〜
http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20120406-3/02.pdf

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編集後記
みなさまは金環日食、ご自身の目でご覧になりましたか?
私は完全に見逃しました。朝起きて、一面の薄曇の空をひと目みるや、
「テレビで見る方が、はっきりみえるだろう」とすぐに諦めてしまったのです。
ところが、会社のメンバーに聞くと「曇っていたからこそ、輪っかを確認できた」
とのこと。やはり自分の目でみるからこそ「世紀の瞬間を目撃した」と言えるの
でしょう。もう2度とみることのないものを、ああも簡単に諦めてしまった自分に
がっかりです。(森山)
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代表取締役・代表社員 榎 卓生
(発行担当:杉森、植本、森山)

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